12月3日午後7時から岩手大学研究支援・産学連携センターにてEONJ主催 Iwate Innovation Base共催で開催しました。
Entrepreneur Organization Japanがはじめた起業家育成プログラムInnovation Base (IB)はそもそも徳島県から始まりました。実は世界組織のEOでもこのIBというプロジェクトは日本から起案されたプロジェクトで世界でもまだ例がありません。
EOの東北地域のチャプターEONJは六県で力を合わせてIBをすすめることになりました。まとめて東北IBとなっています。この東北IBでは県別に熱い起業家を発掘するピッチコンテストを中心に進めています。
そのピッチコンテストはNExT10。
New Entrepreneurs x(multiple) Tohoku for Next 10 yearsの略です。
毎年6県でNExT10プレ大会を開催し、最終的に宮城で決勝を行い東北で1番を決めよう!ということになっています。
岩手IBは東北の他県とは違い、一足早くIBを進めています。すでにテレビでも取材を受けています。
今回は宮城のYIB、福島のFIBにつづき3回目。岩手で一番ロックな起業家を発掘するピッチコンテンストになります。
Iwate IBは司会はアナウンサーの村井由紀子さんと株式会社チェンジ・ザ・ワールド代表取締役 池田友喜さん。
EONJで岩手のIBプロジェクトIwate Innovation Baseを統括する岩手支部長、株式会社クジラ テラス 上神田 正利社長からEOとIBのご説明をしました。
そして次にコングこと株式会社チェンジ・ザ・ワールド代表取締役 池田友喜さんからNExT10の趣旨説明と審査員のご紹介をしました。
そのあと、岩手県 保 和衛 副知事からご挨拶をいただきました。岩手から起業家を育てたい、熱い思いを聞かせていただきました。IBの取り組みは元祖TIBを学ぶために徳島県までお越しになって視察されたそうです。
ピッチコンテストは以下の方が登壇しました。
株式会社オーナー代表取締役社長 佐々木敦斗さん
今年起業した佐々木さん。仙台で教育事業をしています。岩手出身で今回地元で登壇になるそうです。
受験に不要のため多くの高校生は世界史を学びません。この世界史未履修問題をきっかけに教育を変えたいと考えたそうです。
東大入学、教育をするつもりで学生団体FairWindを設立。卒業論文もいわての復興教育をテーマにして、6年間リクルートの教育コンテンツの販売をするために東北で営業もしていました。どんないい教材を提供しても、生徒に響かないのは、「どのように」ではなく、「なぜ」勉強するか、教えたいと思ったそうです。
身近さがキーだと思った、その身近とはローカルであること。この地域から考えること、何が課題かどうしたいかを考えることが大事だと思ったそうです。
これからは、画一的な教育ではいけない。せっかく地域の特徴、地域ごとに教材を作っていきたいと考えています。
岩手から新しい教育のカタチを。
これからの活躍に期待ですね。
岩手大学教員 冨田浩史さん
岩手大学の冨田先生は、視力回復の技術研究をなさっています。
失明者の資格を回復させる遺伝子技術について研究がすすみ、緑内障などの失明は回復できる可能性が上がってきているようです。
もともとは目薬をさしたら目が見えるようにする技術を開発したいと思ってたのですが、現在は注射で目が見えるようになる技術を開発しています。実際アメリカで同じような技術は2021年発表されているそうです。大きな違いは、アメリカの技術はゴーグルが必要になりますが、先生の技術はゴーグルなしで室内光でも見えるようになるそうです。
課題はコスト。国内外製薬会社に研究費の支援を申し出たのですが、製薬企業は、一人目は先生自分のお金でやって、成功したらお金を出す、ということでなかなか進んでいないそうです。
1人目をやるためには3億円。予算確保が急務なのです。
緑内障などで失明した人に孫を見られるようになることに役立ちます。資金確保応援したいですね。
KGR Harmony代表 福嶋圭次郎さん
世界を沸かす南部鉄器エフェクターの製造販売したいと熱く語る福嶋さん。
エフェクターとは、楽器の音色を変化させるエフェクターのことです。
構造は金属製の箱のなかに電子基板をいれるのですが、音マニアの福嶋さんはエフェクターの素材として南部鉄器を使う音に惚れ込み、岩手に実際移住して音の実現にむけてがんばっています。
すでに製品化され、現在国内4箇所、シアトル、台湾でも販売されています。音色も太くてかっこいいと、また南部鉄器のデザインも評価されているそうです。
南部鉄器エフェクターのすごいところは業界の垣根を超えて、伝統工芸の可能性を広げ、日本の伝統工芸を世界に発信するということができたところ。彼のバッグもタンスをベースに木でつくったものです。
つまり、南部鉄器エフェクターで世界中を沸かせたい。南部鉄器の新しい価値を創造するとはすばらしいですよね。
岩手県立大学2年生 五郎丸千尋さん
五郎丸さんが人生をかけてやりたいこと、人をつなぐ拠点をつくることです。
過去に中学の時に不登校になった経験があったそうです。しかし、母親の勧めで入ってみたよさこいチームの練習から、人付き合いへの抵抗がなくなり、人生が変わりました。
そこで彼女は対面の良さ、話すことに特化した日常会話に特化した場所を作りたいと考えています。
話を聞いて欲しい人、聞きたい人をつなげる場をつくる。
実現不可能かもしれないけど、彼女の人は話すことで救われたのは事実。そんな人は他にもいるはず。だからそのような人を私の作る拠点ですくいたい。
そんな思いを熱く語ってくださいました。
岩手大学4年生 谷目葉さん
谷目さんは森のヘンタイと呼ばれてるそうです(笑)。
彼のチャレンジは林業のイメージを変えること。
マイナスなイメージをもたれる日本の林業。
しかし日本に限った話で、北欧やドイツではあこがれの職業に林業は上がってきています。
なぜ林業は人気がないのか、彼は日本と海外の林業の現場に入り、実態を調べそうです。
岩手県から淡路島まで様々な林業の現場を経験。実際に遠野市のカラマツ林を一ヶ月かけてキレイにもしたそうです。
そして、日本の林業に足りないもの、それは森林教育の必要性と彼は考えました。
森林、林業に対する先生も含めた基本的な知識が足りないのです。たとえば地球温暖化対策のため、林業は有用なのに、木を切ることは環境破壊だと短絡的な結論を思い込んでしまう人が多くいます。しかし実際には、林業で正しい保全をすれば、その仕事は地球温暖化に貢献できるのです。
現在は、幼少期に木と触れる機会をつくるために木製知育教育玩具を開発などしています。違う種類の木を使うことで音が変わるという性質を利用しています。
これからはもっとテクノロジーを生かして多様な森林教育コンテンツを作ろうとしています。例えばAI技術を組み込んで、森、木、林業を学べるような仕組みにしたい、そして林業のイメージを変えていこうとしています。
多くの地域で林業の衰退と森の荒廃が課題になっています。ただしい林業への考え方と仕事としての魅力を創造していきたいですね。
岩手大学3年生 望月志光さん
学生による地方DX化について話してくださいました。
学生エンジニア×非IT企業をつなげるサービスです。
エンジニアになりたいと思った望月さんの過去の悔しい経験からでした。
自身、インターンに応募したくても、過去の実績や経験がないとインターンもできません。しかし地方にいると東京と違って経験を積む機会がないものです。そこで、学生が地元の非IT企業のウェブサイトやシステム開発の募集をして、アウトプットの機会や実績つむ機会をつけてられるようにしたいという思いからでした。
地元の非IT企業に低コストのDX化を学生が提供できるようにしたい、そしてIT企業にばかりIT人材が集まる問題も解決したいと考えています。
Webサイト開設、学生の募集、サポート、サイトの運営からはじめたいと考えています。
地方の企業と学生両方にニーズがありそうですね。
Grande faro代表 中村雅人さん
釜石出身の中村さん、東日本大震災で被災し、関西から緊急支援隊として地元に来ている消防隊にあこがれて消防隊になろうとして大学卒業後、実際7年消防隊として勤務してきたそうです。
いまはコーチング事業を立ち上げたそうです。それは、消防隊としての命を助ける経験で、死にたいという人と死にたくないという人両方に直面したそうです。
健康なのに死んでしまう人は考え方の違いが大きい、そこでメンタルコーシング事業を始めたそうです。
起業したいと思ってても、潜在意識が自分では無理だと思うと、だめです。
道端に咲いている花に気づいていますか?小さな幸せを力にできているか?
心のコップはどれほどの合いで満たされていますか?
心が整っていると?はどういうことか?
このような考えを世の中に広げていきたいそうです。
メンタルが整っていないとうまく行かない。めちゃくちゃ努力しても無理かもと思うと結果でない人のコーチングをしてきたそうです。
心がととのえばうまくいく。
だからその力で東北を盛り上げていきたいということでした。
メンタルを整える仕事はとても価値のある仕事だと思います。
Aqsh合同会社 代表社員 塚田崇博さん
京都ご出身なのに、ご縁があって八幡平で起業したそうです。
行ってることは採用、育成、定着という人事部の機能を街ぐるみで中小企業の支援を行っています。つまり、八幡平市で「まちの人事部」として活動しています。
地域課題を解決したいという思いから起業した塚田さん。
中小企業が人事にコストを欠けられない一方、地域課題解決を解決したいその両立のためこのビジネスをおもいついたのだそう。
行うことは自治体と連携しながら地域ぐるみで採用や育成や定着を支援しています。自治体からの支援を受けながらまちの人事部として動くことで地域企業の1社あたりのコストを削減するよう仕組みです。
これから全国に広げようとしています。でも八幡平が大好きで、まずはこの地域を元気にした。
過疎化や若者離れが進む地域でニーズがたくさんありそうですね。
会社勤務 森晃也さん
会社、SEOでアポ取りで1位もお持ちなんだそうです。MBAでの苦労をきっかけに、マーケティングなど学校で会社で働くときに活躍するための勉強をさせることをさせたい。働くときに活躍すると異性からめっちゃモテる(笑)。だから親子でビジネスを学ぶ学校を作りたいと考えたそうです。
そこで、まずはじめたのはYoutube。Youtubeで人気があるかどうか調べてみることにしたそうです。
そのチャネルがモリマツさん。そしてコンテンツはお菓子な学校。
うまい棒をモチーフに、3Cやマーケティング・ミックスなどのマーケティング用語を学ぶ動画チャネルです。
うまい棒で世界一やさしく学べるおかしな学校。
そして流してみたら、とてもいい反応。
登録数1600人達成。5本しかあげていないのに。
しかし、このコンテンツ他のビジネスYoutuberもどんどん参入してきているそうです。
森さんの考えるビジネスを親子で学べる学校、ぜひ実現してほしいですね。
IIB NExT10岩手審査員
株式会社エンライズコーポレーション 吾郷 克洋 グループCEO
最後に(株)GCストーリー 代表取締役社長 西坂 勇人さんから公評がありました。
ここに来ている起業家はみんな何かを与えたいと思って来ているので、ぜひ持ち帰って欲しいとの言葉が印象的でした。
そして優勝者は・・・
GR Harmony代表 福嶋圭次郎さんでした!!
おめでとうございます!!
そして懇親会はめちゃめちゃ盛り上がりました!
最後に4分間では話せなかったことを登壇者に話してもらいました