Fukushima Innovation Base 2022年キックオフ会レポート

2022.09.08

この度、2022年度のEO North Jpan 福島IBのキックオフイベントに潜入してきました。
昨年度は優勝を逃してしまった福島IBですが、今年はさらに気合十分です。
今回は福島IBのキックオフイベントということで、ピッチイベントの説明と、IBの概要を説明のちに、ワークショップイベントが実施されました。

●開会の挨拶 江尻さん

去年の9月に初めてFIBの説明会を実施して、IBの試みをお話する機会を作りました。
そしてそのきっかけを元に挑戦した人たちが、さらに若者を育成しようと動いてくれています。

地方で起業しようとすると、周りの人がなかなか後押しをしてくれないのが実情です。
起業した私たちもそうだった、だから自分がやりたいことを実現する、そんな思いを持つ人たちを私たちは少しでも手助けしたい、そんな思いでこの活動を実施しています。
ゼロから事業を立ち上げた人たちが、何かに挑戦しようとする人をアシストするのは非常に重要です。

またアシストする人、育てる側にも得ることがたくさんあります。
FIBのプレゼンを聞くと
「若い人たちがチャレンジしているのに、自分はどうなんだ」
と、自分への勇気づけ、自分のさらなる成長にも繋がっています。

今回からは、EOメンバー中心のメンバーに限らず、それ以外の人たちとも協力して実施していきたい。
福島の起業家を盛り上げて自分も成長できる、そんな場にしていきたいです。
若手のチャレンジを応援していきたいです。よろしくお願いします。

●FIB支部長 中野さんからの挨拶

FIB(フクシマイノベーションベース)とは

NExT10は「事業モデルよりも志」といったように、ロックな心を持った起業家を発掘しようという考えでスタートしています。

EO North Japanでは2021年から「東北 Innovation Base プログラム」の一環として起業家、起業または準備中の方を対象に「NexT10(ネクスト10) powered by EO North Japan」と題したピッチ大会を東北各県で開催しています。

NExT10とは震災から10年経った2021年に、2031年の東北を代表する起業家を発掘しようというEO North Japanのチャレンジです。

もともと、震災をきっかけとしてはじまったEO North Japan。多くの起業家がEOの活動を通して成長しました。

これからの10年のために自分達が育ったように、これからの起業家を、EONJの起業家で育てたい。その想いからはじまったのがNExT10であり、Tohoku IBです。

●Fukushima-BASE創業 株式会社オーダーメイドジャパン代表取締役 中野 友登さん

福島で創業したからこそ、地方の地域で何かやろうとした時に、ネガティブだったり、消極的な人が多くいることがわかります。
そんな環境の中でも、周りにワクワクがあふれる環境を作りたいと思いこのプロジェクトに関わっています。

自分は、福島ベースというコワーキングスペースを初め、現在は県内で5拠点を運営しています。

「創業者は孤独だ」「クリエイターは孤独だ」と言われているが、「挑戦をする人たちが切磋琢磨できる環境を作りたい」という思いでできたのが、Fukushima-BASEです。

地域で感じる3つの課題は、

  • 成長できる環境
  • 仕事が取れる環境
  • 新たなコミュニティを築き上げる環境

ゼロイチを経験した人が少ないからこそ、出る杭は打たれるという状況になっている。
今回、一般社団法人に変更し、街全体で運営して、挑戦者が応援される文化を作ることを目指しています。

Fukushima-BASEが掲げる3つの目的

  • 挑戦者が応援される文化を作る
  • ビジョンを実現し成長の先に貢献できる仲間を増やす
  • 新たなビジネスの想像、ワクワクする街を作る

これらを実現するために、「チャレンジャー」「サポーター」「スポンサー」という形でエコシステムを作る活動を福島で実施しています。
活動は続けていますが、目指すものにはまだまだ遠いです。

それが何かというと、「0→1を経験した、ロックでかっこいい大人が少なすぎる。」という現状です。

東京で起業する人が多いのは、周りにロックな大人が多いからであり、周りにロックな大人がいるからこそ、チャレンジする人がいると考えています。

背中で語れる大人を福島にたくさん連れてきたい。そうすることで地域の環境が変わってくるのではないか。それもあって、クオンタムリープ(EOの成長プログラム)に参加しています。

●EOとは・・・

EO(Entrepreneurs’ Organization=起業家機構)は、1987年に設立された、年商$1MILLIONを越える会社の若手起業家の世界的ネットワークで、現在62か国200チャプター、15,000名のメンバーによって構成されています。

起業家団体であるEOが自分たちの成長の秘訣を地域に還元する目的で始まった「IB活動」は2020年徳島IBを皮切りに全国に広がっています。2021年東北ではすでに立ち上がっている岩手県含め6県でのIB活動を開始します。

20府県で実施されるIBですが、東北6県が協力して、起業家を育成しようというプロジェクトが、NExT10(10年後の未来を作り上げること)です。
AOIB、AKIB、IIB、MIB、YIB、FIBそれぞれがチームとして、各地域を引き上げていくことを目的としています。

そんなFIBでの今年度のテーマを、若手メンバーで考えました。
ビジョン「志が芽吹く島、情熱の噴島」
ミッション「ロックな大人の情熱で、若者を発火させる」

去年のNExT10では、悔しい思いをしました。
良いメンバーが集まっているのに、福島の熱量が他県に比べて負けていると感じてしまった。
今年はより熱い思いを持って臨みたいです。

9月3日に実施されるキックオフで集まったメンバーを、福島IB登壇者を東北No1の起業家にする!
それをFIB参加者全員で応援しよう。起業家を応援する文化を作ろうという思いで活動しています。
これからよろしくお願いします!

●NExT10ピッチ大会概要説明

続いて石川さんから、NExT10ピッチ大会の説明となります。
ピッチ時間は4分と限られた中で、起業家たちの熱い思いが語られます。
NExT10では、現時点での事業計画や経営能力や実務経験ではなく、起業マインドの大小、すなわち起業家が「ロックかどうか」を審査します。

そこで、下記内容で4分間のピッチをして頂きます。

  1. 「人生かけてやりたいこと」は何ですか?
  2. それは、なぜやりたいのですか?
  3. そのために、これまでどんなことをして来ましたか?

起業家が「ロックかどうか」を審査する審査項目は、下記1~3です。
現時点での売上規模や事業計画の善し悪しは審査項目には入っていません。

この項目を通じて、「素晴らしいマインドを持ったロックな人物かどうか」を審査員が評価します。各項目5点満点です。

  1. エッジ(独自の視点、独自の考え方、スケール感)
  2. 行動力(アクションの手数、アクションの大胆さ)
  3. 巻き込み力(熱意、覚悟、使命感、共感性)

起業を0から支援するプロジェクトとして、東北6県が協力して実施されています。

ワークショップ

そして本日のメインでもある、グループで実施するワークショップとなります。

グループワークは、昨年のNExT10に出場し現在はEOクオンタムリープに参加中のマッスルこと鈴木さんが進めます。

グループワーク①「自己紹介」

最初のグループワークはライフラインを利用した自己紹介です。
ライフラインは、自分の年齢を横軸に、幸福度を縦軸に書き表す自己分析手法です。
EOのルールでもある、この中で共有されたプライバシーは他言無用。
外に出たら話してはいけない。といったようなルールがあるために、より深いプライベートなことが話せます。
参加者の方々は、それぞれ様々な経験を持っており、みなさん熱心に聞かれていました。
自分のことを人に話すことによって、自分の感情・考え方の整理にも繋がっているようでした。

グループワーク②「ロックな大人とは・福島IBとしての大切にしたい価値観」

続いてのグループワークは、「ロックな大人とは何か」そして「福島IBとして大切にしたい価値観は何か」です。全体で2チームに分かれてロックな大人とは何なのか、熱く語り合いました。

1チーム目のロックな大人とは、

  • 「基準俺」でも自分の武器や信念を持っている。
  • 面倒見がよく、他人を尊重(リスペクト)でき、ワクワクを持ち続ける。

福島IBとして大事にしたいことは3つ

  • 最高にリスペクトし合おう
  • 全肯定をしていく(「やっちゃえよ!」「できるよ!」と後押しする)
  • 誰かのために圧倒的GIVE

2チーム目のロックな大人とは、

  • 考え方:負けず嫌い、我が道をゆく、自己理解ができている
  • ライフスタイル:オリジナリティを持っていて、オープンカーに乗っている
  • ロックじゃない人:環境や歳のせいにする

福島IBとして大事にしたいことは、

  • 常にチャレンジしていて目線を高く持つ
  • 遊び心を忘れない
  • 負けず嫌いで、諦めない
  • 環境や歳のせいにしない

以上のように非常に熱くFIBの方針を語り合うことできていました。

参加者からの感想

最後に各参加者の方からの感想・コメントを抜粋します。

  • 1年前は、「ピッチコンテストってなんだ?」からのスタートだったが、環境で人は変われると自分自身で感じることができた。今後は育成する側としても力を注ぎたい。
  • 一人一人が自分らしく生きていくことに、FIBが繋がる
  • 前回まではEOメンバーが中心だったが、今後は色々な人が関わって新しいIBを作っていきたい
  • ライフラインを書いて改めて感じたが、自分は人生のどん底からEOを通じて這い上がってきたと思っている。その経験を生かして一人でも前向きにしていきたい。今後は企画コンテンツを本気でやっていきたい。圧倒的GIVEでよろしくお願いします!
  • ロックな大人にグッときました。ロックな大人に囲まれて幸せです。
  • 福島県がもっと盛り上がることが確信できた。
  • 男性女性でこだわっていることはないが、女性の仲間をもっと増やしたい。
  • 福島にも熱い方がいっぱいいる
  • 前回EONJメンバーで手探りで始めたが、最後には涙するほど熱いものができた、そして福島に多くの熱い起業家がいることがわかった、今後さらなる起業家の育成を進めていきたい
  • 自分自身2年間葛藤している状況が続いていた、熱いロックな人がもっといれば頑張れる。起業しやすい環境、マネジメント、火をつけられるといったような経験ができていないと感じた。
  • 仲間が増えたことが一番嬉しい経験だった 
  • 今後登壇する人たちが、自分達の熱量で他の人たちの熱量をも増やす、そんな場所を作っていきたい。

●今後のスケジュール

次回以降のスケジュールについて、一部スケジュールは調整中となります。

  • 10月19日 勉強会
  • 11月19日 勉強会(調整中)
  • 12月03日 NEXT10ピッチ大会
  • 1月 フィードバック勉強会(調整中)
  • 2月 フィードバック勉強会(調整中)

●閉会の挨拶 折笠さん

東日本大震災をきっかけにできたEONorthJapan、元々EOは東京と大阪の2拠点しかなかった。
震災後全国のEOメンバーは物資を運び続けてくれていたが、支援を受け続けているだけではだめだという気持ちになった。

他のEOは基本的には、別のEOを経験した人が作るが、EONJだけがEO経験メンバーがいない中で立ち上げた、手探りが続いていたがようやく形になってきた。

「東北で何ができるんだろう」そんな気持ちが当初はあったが、「真・善・美」というビジョンを掲げ、気持ちを一つに活動をできている。

自分の命をかけて、どんな事業をしているのかを、涙ながらにプレゼンするメンバーがいる。
素晴らしいメンバーが、東北だからこそ集まったと思っている。

できること、やらなくてはいけないことがたくさんある。
GIVE & GIVE の精神で、若手起業家を支援して、東北を起業家の楽園としたい。
支援することだけではなく、支援をすることで受け取れることがたくさんある。

「自分達の成長のためにも、若手起業家との交流を増やして、東北を起業家の楽園とするために、みなさまと一緒に活動を続けていきたい。」

これからのFIBの活躍がさらに楽しみですね!

次回は、YIB(山形イノベーションベース)の報告会を予定しています!

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