【福島】2021年11月21日 EONJ IB NExT10福島 イベントレポート

2021.12.02

今回は11月21日(日)に開催されました、NExT10福島ピッチ大会をレポートいたします。

まずはじめに、EO(Entrepreneurs’ Organization=起業家機構)は、1987年に設立された、年商$1MILLIONを越える会社の若手起業家の世界的ネットワークで、現在62か国196チャプター、14,674名のメンバーによって構成されています。

起業家団体であるEOが自分たちの成長の秘訣を地域に還元する目的で始まった「IB活動」は2020年徳島IBを皮切りに全国に広がっています。2021年東北ではすでに立ち上がっている岩手県含め6県でのIB活動を開始します。

東北IBプログラムの活動名としては、これからの10年を創造する「NExT 10」と定めました。

尖った感性(ロック)が企業には欠かせないと我々は考えます。そして、尖った感性は同類が交わることで磨かれることを、2011年の震災直後から全国のEOメンバーに私たちは教わってきました。

これからの10年地域との連携を強化し、共に創造していきたいと考えています。

今回は、総勢8名の起業家のピッチが行われました。
ピッチ時間は4分と限られた中で、起業家たちの熱い思いが語られます。
NExT10では、現時点での事業計画や経営能力や実務経験ではなく、起業マインドの大小、すなわち起業家が「ロックかどうか」を審査します。

そこで、下記内容で4分間のピッチをして頂きます。
1)「人生かけてやりたいこと」は何ですか?
2)それは、なぜやりたいのですか?
3)そのために、これまでどんなことをして来ましたか?

起業家が「ロックかどうか」を審査する審査項目は、下記1~3です。
現時点での売上規模や事業計画の善し悪しは審査項目には入っていません。
この項目を通じて、「素晴らしいマインドを持ったロックな人物かどうか」を審査員が評価します。各項目5点満点です。
1)エッジ(独自の視点、独自の考え方、スケール感)
2)行動力(アクションの手数、アクションの大胆さ)
3)巻き込み力(熱意、覚悟、使命感、共感性)

大川 翔さん

テーマ:福島を盛り上げる、福島限定オンラインプラットフォームについて

福島といえば?と聞くと、震災、原発、放射線といったようなマイナスのイメージが先行することが多いですが、福島で育ち一度東京に出た大川さんは、外から見た福島の魅力に気がついたといいます。
しかし同級生は「福島には帰らない」「仕事がない」「就職は東京へ」「福島は仕事はあるが、若者にとって魅力的な仕事がない」と言われてしまったそうです。
そこで「ワクワクする福島を・福島を変革する男 大川翔」として、福島を改革したいとのことです。
現在福島の関係人口は日本一であり、この関係人口を世界一の地域へ
そんな関係人口を高めるための、福島限定オンラインプラットフォーム、SFF(SPREAD FROM FKUSHIMA)をスタートさせたといいます。
「発信し、行動できる福島を作る 株式会社今日もOK!!を設立します」と大川さんは締めました。

●会場での質疑応答
Q.どんな事業を考えていますか?
A.現在コミュニティ内に高校生・大学生が40名ほど集まっており、その中で考案された内容を事業化できるように活動している。

小松 俊喜さん

テーマ:安いうまい、早い根っこのサポート事業

小松さんは、会社の経営者の方々が既存事業の対応に時間が取られ、新規事業・新規市場の参入に取り組めていないといいます。
緊急ではないが重要な、既存業務の根っこ部分をサポートする事業を展開したいとのことです。
特に業務引き継ぎのためのマニュアル作成など、時間がかかりテクニックが必要な部分をサポートすることで、経営者の方をサポートしたいと小松さんは語りました。

会場での質疑応答
Q.どんな未来を目指していますか?
A.マニュアルが分かりづらく、成長するスピードが遅かった。わかりやすいマニュアルを作成することで、既存事業の最初の一歩で躓かないようにしたい。
Q.事業の強みは何ですか?
A.専門性の高いディレクション部分が強みです。

杉尾 大地さん

テーマ:MauShare 地方大学生向けカーシェア

「6 と 60」これがどんな数字かわかりますか?と杉尾さんは会場に語りかけます。
上記の数字は、東京と福島の電車の間隔(分)とのことです。
そんな電車の本数が少ない福島の大学生は、買い物難民が多いといいます。
車を所持するほどお金はないため、多くの方が困っているそうです。
そんな課題を解決するため、地方大学生向けのカーシェア事業をスタートさせたとのことです。
「非対面でのアプリ完結」という現代にあった方法をとり、地元のレンタカー企業と協力し事業を進めているとのことです。
カーシェアは手段の一つといいます。「都会の当たり前を、地方にも」と杉尾さんは締めました。

■会場での質疑応答
Q.既存のカーシェアとの違いは何ですか?
A.スマホのみで全てを完結できることが一番の違いです。
Q.地方の当たり前を都会に持ち込むという案はどうか?
A.現在は考えていません。

鈴木 颯さん

テーマ:G-Lounge、福島から日本全国を前向きに

前向きに生きていますか?と鈴木さんは会場に語りかけます。
中学校1年生で震災を経験し後ろ向きな人生だった。
そんなモヤモヤとした感情の中、鈴木さんは筋トレに出会ったといいます。
「誰もが最強で最高!筋肉は裏切りません!」鈴木さんはそういいながら服を破り捨てました。
筋トレは、成功体験の積み重ねです。
そんな成功体験が誰でも経験できる筋トレを世に広めたいといいます。
さら腸内環境の改善なども含めた、「筋トレ×腸トレ×メントレ」によって超前向き人生になると鈴木さんは語りました。
鈴木さんの経営するパーソナルジムG-LoungeのGは、GOAT(Greatest of All Time=史上最高)を意味するといいます。
「筋トレで東北を前向きにしましょう!」と鈴木さんは締めました。

会場からの質問
Q.何か企業や団体と組みたい?もしくはどんな人と組みたいと思っていますか?
A.現状は考えられていない。会社え働くことの中でも前向きに生きることは大切なので、法人契約を結ぶなどは考えている

滝口 杏さん

テーマ: 学生のアイデアを商品にするプラットフォーム事業

山形県山形市で育った滝口さんは、高校時代から地元の町や企業と協力し、デザインや、商品開発を行ってきたそうです。
その際、産業調査部という部活動にて全国大会で2連覇という結果を残したと語ります。
しかし、大学生になってから、なかなかアイデアを形にすることができない、という悩みがあったそうです。
そんな中で、企業の方と話をしていると、「専門的な業者へ依頼は高すぎてできないため自分でやるしかない」「斬新なアイデアが欲しい」といったような、悩みがあると聞き、マッチングできるのでは?と考えました。
この事業は、収益確保よりもスキルアップを目的としており、対象も学生に絞っているとのことです。
学生に絞った理由は、アイデアの活用経験を就活に生かすことで、若者の力になりたい。
また有形のみではなく、無形(アイデアなど)も対象となるように検討しているそうです。
「私がこのアイデアを作った!」と自信を持って言えるようなプラットフォームを構築していきたい。と滝口さんは締めました。


Q.高校時代の産業調査部の全国2連覇。なぜそんなに頑張れたのですか?
A.山形は何にもないと思っていたが、地元企業や地域の人にアンケート調査をするなどして良い面を知れた。温かく笑顔で過ごせる街を作りたいという気持ちで頑張れました。

馬場 法孝さん

テーマ:プロバイダxロボット 地方創生

一つの植物である天糸瓜(ヘチマ)はさまざまな用途に使われます。
ヘチマのように色々なお客さまの役に立ちたい、それが天糸瓜ネットという企業名称の由来です。と馬場さんは語り始めます。
復興と地方創生のなかで、ロボットが重要な役割を担う。
プロバイダ中でもさまざまな部分でロボットが携わっています。
システム開発、セキュリティ、ネットワーク、サーバー管理それぞれの中でロボットは活躍しているといいます。
協力会社も多数あり、多くの企業が馬場さんをサポートしてくれています。
プロバイダ技術とロボットで地方創生を実現する。
地域のいろいろなところにロボットが触れ、使う人の視点で活動を続けていきたい。と馬場さんは締めました。

会場からの質問
Q.過去に創業したが失敗をして、今回2回目の創業とのこと、なぜ挑戦することができたのか?
A.20代前半で大失敗をしてしまいました。勉強せずに実行し失敗したため、1から勉強し直さなくてはと思い必死に勉強をした。そして当時、自分を助けてくれたのは地域の経営者の方々です。その人たちのため、地域のために頑張ろうと思えたことがきっかけです。

奈良 学さん

テーマ:東京と変わらずに挑戦し続けられる場所を作りたい。

挑戦できる環境が少ない。起業して東北を盛り上げたい。東北でも何か刺激を受けたい。
そんな思いで奈良さんは今回の事業を考えたと語り始めます。
何か経験を受けようとする、都内に出ると大きな費用が発生し、東北では得られるものに制限やコストがかかってしまう。
そのためアメリカなどで実施される学習歴の最先端であるISAsモデル(Income Share Agreement=所得分配契約)というものを活用した学習システムを検討しているとのことです。
学生は無料でスキルアップのサービスを受けることができ、そして就職後に13〜17%を2年間くらいもらうというシステムです。
ハイキャリアを目指したい学生にうってつけのサービスだと奈良さんはいいます。
今までは「学歴社会」だったが、これからは「学習歴社会」に変化し、どこで学んだかよりも、何を学んだかが重要となるといいます。
東北でも東京以上に挑戦できる環境を作りたいと奈良さんは締めました。

Q.就職活動をやめて、起業を決めたきっかけは何ですか?
A.就活の中でモヤモヤした感情があり、何かに挑戦したいという思いで起業を決意した。

谷 咲月さん

テーマ:人と動物と自然が共生する場所を世界中に作りたい

動物が苦しむ姿をもう見たくない。そう谷さんは話し始めます。
さまざまな面で変えたいことがあり「地域」「国」「地球」「人」「動物」「安全」「災害」それぞれに対して多くの思いがあり、関わっていきたい。変えていきたい。という思いを伝えていただきました。
動物が共生するやさしい世界を作りたい。と谷さんは締めました。

Q.どんな思いで活動をされていますか?
A.みんながハッピーなところを作りたい。短期的ではなく長期的なことを考えて、みんなが調和できる場所を作りたい。

Q.具体的にはどんなことをしたいですか?
A.動物と共に暮らせる里山暮らしを進めていきたい。また砂漠を緑化したい。
現在は、牛に農地にある不要な雑草を食べてもらうという活動を実施している。
牛は健康になり、人間は雑草がなくなりハッピー!そんな動物共同農業というものを進めています。

審査結果


以上8名によるピッチイベントが終了しました。
審査員による厳正なる審査の結果、今回優勝となったのは、大川 翔さんでした。

審査委員より

今回の行動力、エッジ、巻き込み力の三点が最も優れていた。
福島の地でなんで起業をするのか。このままの福島を次世代に残したくない。
怒り、フラストレーション、義憤が新たな力にもなり、福島を変えるというきっかけになる。
福島の課題を解決し、福島を活性化させる同志として一緒に活動していきたい。

NExT10のチャレンジは終わりません。
次回は、12月03日 岩手県 盛岡市にて実施予定です。
皆さまのご参加お待ちしております。

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